受験専念って合格率が意外に低いって本当?

中小企業診断士試験は日本で唯一の経営コンサルタントの国家資格ということもあって結構難しい資格試験です。そのため受験生によっては中小企業診断士受験のために仕事を辞めようか考える人がいますが、私は仕事を辞めてまで受験する資格ではないと考えています。え?もう辞めちゃった?その人は仕方ありません。絶対に合格する!と強気気持ちで勉強して下さい。

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過去の合格率では受験専念は合格率が低い!

中小企業診断士試験では受験生の職業に関するアンケートがあります。アンケートで選択する職業は下記通り。

経営コンサルタント自営業
税理士・公認会計士等自営業
上記以外の自営業
経営コンサルタント事業所等勤務
民間企業勤務
政府系金融機関勤務
政府系以外の金融機関勤務
中小企業支援機関
独立行政法人・公益法人等勤務
公務員
研究・教育
学生
その他(無職を含む)

上記、職業欄で「その他」に該当するのは恐らく受験専念くらいではないでしょうか?自営業でなく会社勤めでない、公務員でもないし、学生でもない…だったら定年退職後の年金所得者か受験専念しか思いつきません。定年退職後に中小企業診断士を受験しようと思う人は少しはいるかもしれませんが、その他の受験者数の大部分を占めるとは考えられないので、きっとこのその他の多くは受験専念の受験生だと思います。そこでこの「その他(無職を含む)」の合格率を過去に遡って推移にしてみました。ここでは過去3年分ですが、「受験専念の合格率推移」では平成19年から比較しています。

中小企業診断士1次試験合格率 受験専念と全体との比較

平成24年度(専念)/2,146/339/15.8%
平成24年度(全体)/14,981/3,519/23.5%

平成25年度(専念)/2,209/288/13.0%
平成25年度(全体)/14,252/3,094/21.7%

平成26年度(専念)/2,142/292/13.6%
平成26年度(全体)/13,805/3,207/23.2%

中小企業診断士2次試験合格率 受験専念と全体との比較

受験年度(専念)/受験者数/合格者数/合格率
受験年度(全体)/受験者数/合格者数/合格率

平成24年度(専念)/480/82/17.1%
平成24年度(全体)/4,878/1,220/25.0%

平成25年度(専念)/498/71/14.3%
平成25年度(全体)/4,907/910/18.5%

平成26年度(専念)/462/61/13.2%
平成26年度(全体)/4,901/1,185/24.3%

受験専念の方が毎回合格率が低い!

原因はわかりませんが受験専念の方が毎回合格率は低い結果が出ています。普通に考えると受験専念の方が勉強時間が沢山あるので合格しやすいように思いますが結果を見る限り違います。想像ですが、いざ中小企業診断士を受験しようと考えて意気揚々と講座に申込み受験勉強を始めた人でも、勉強ボリュームの多さや長い受験勉強の苦行に耐えられずに途中で挫折する人は結構います。仕事をしながら診断士を受験している人であれば、「受験や~めたっ!」と簡単に辞めることができますが、仕事を辞めてまでチャレンジした人はダラダラと受験まで勉強を続けるはずです。

上記の合格率は実際に受験した人と合格した人の比率で、受験勉強をした人と合格した人の比率ではありません。実際の数値は調べようが無いので知りませんが、聞いた話では受験勉強を始めた人のうち30%~半分くらいが途中で受験を諦めると言われています。現状の勉強法では合格ラインに入れない人のうち、本試験まで受験を継続する人の割合が受験専念は高いのでしょう。そのため受験専念の受験者数の中にそもそも合格ラインに入れていない人の割合が高いのではないでしょうか。奇跡を信じて記念受験…受験専念なので気持ちは分かりますが、そう簡単に奇跡は起きません。

このように書くと「合格ラインに入れないならサッサと諦めてしまう方が良い!」と聞こえるかもしれませんが、そういう事を言っているわけではありません。勉強を途中で投げ出すのは簡単です。ただ、投げ出したら何も残りません。投げ出した人の中には「勉強した知識が役に立った」などという人がいますが、これは負け犬の遠吠えです(表現は悪いかもしれませんが)。中小企業診断士試験に限らず資格試験は合格しないと意味がありません。0か100かです。履歴書や職務経歴書に「中小企業診断士試験受験経験有」と書けますか?面接で「中小企業診断士試験を受験した経験や学んだ知識を活かし…」などと言って評価してもらえると思いますか?評価されるどころか反対に評価を落とすリスクの方が高いと思います。「でも合格していないよね…」

合格ラインに入れないということは勉強方法に何か問題があるはずです。真面目に勉強して合格ラインに入れないということは、これから本試験まで同じように勉強しても合格ラインには入れません。何が欠点なのかは人によって違うので一概には言えませんが、TACやマンパワーなどの受験予備校に通っているのであれば担当講師に相談するのが一番です。講師に相談するのはチョット恥ずかしいですが、試験に合格できない方がもっと恥ずかしいと思います。特に受験専念の人は変なプライドは捨ててドンドン相談しましょう。講師は受講生が合格すると学校から評価されるため、講師自身も受講生に合格してもらいたいはずです。

中小企業診断士試験は仕事を辞めてまで受験する資格ではない!

考え方は人それぞれですが、私は中小企業診断士試験は仕事を辞めてまで受験する資格ではないと考えています。そもそも中小企業診断士試験を受験する目的は何ですか?独立を考えている人がいるかもしれませんが、現実に中小企業診断士になったなっただけで安定した生活を送れる人は極僅かだと思います。多くの診断士が受験勉強中に働いていた職場で企業内診断士として継続して働いていると思います。なかには中小企業診断士合格後に転職する人がいますが、その多くは在職中に資格に合格して、合格後に転職しています。受験前に仕事を辞めて合格後に以前の職場よりも条件の良いところに就職したという人は少ないのではないでしょうか。雇う側からすると、「中小企業診断士に合格したのは凄いかもしれないが、資格試験受験のために会社を辞めてしまう人間に会社の重要なプロジェクトを安心して任せることができるか?」と考えるのではないでしょうか。本来であれば仕事をしながら受験するのが普通ですからね。

まぁ中小企業診断士として独立すると決めているなら別ですが、独立は余程の経験と人脈がなければ難しいと思います。それに豊富な経験と人脈があれば中小企業診断士という資格は必要ないでしょうし、それだけの経験と人脈を築ける人が仕事を辞めないと中小企業診断士試験に合格できないというのはチョット…という感があります。

もうすでに辞めてしまった人は仕方ありません。過去に遡ることはできませんし、「絶対に合格する!」という意気込みで勉強するしかないです。

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